効果のあるマーケティング施策をあぶり出す、データエンジニアの仕事
効果のあるマーケティング施策をあぶり出す、データエンジニアの仕事

メディアDXセンターは、博報堂DYグループのメディアDXを推進するAaaS(Advertising as a Service)戦略の開発領域を担当する組織です。その中でデータ戦略部は、データ活用戦略の立案・推進やデータリクルーティングを進めていくようなミッションを持っています。今回は、データ戦略部でデータエンジニアとして活躍する佐々木 慧に、現在の業務や今後の挑戦について話を聞きました。

さまざまな業界の課題に向き合える博報堂テクノロジーズへ

はじめに佐々木さんの経歴について教えてください。

大学院までは化学工学という分野で研究をしていたのですが、正直なところあまり興味が持てませんでした。就職活動にあたって、研究とはまったく別の、業界横断で使えるようなスキルが身につけられ、かつ、需要が高まっている仕事をしようと考えてデータエンジニアを志し、新卒では食品・小売業界のデータを扱っている会社に入社しました。そこで仕事をするうちに、単一の業界だけでなくいろいろな業界の課題に向き合ってみたいと考えるようになり、博報堂テクノロジーズに転職しました。

博報堂テクノロジーズへの入社の決め手はなんでしたか?

広告という業界なので、必然的に幅広い業界のクライアントと関わることができるのが魅力でしたね。また面接を通して、今後自分の意志でキャリアの方向性を決められるという話をしてもらったことも、私にとっては大きな安心材料になりました。

フレキシブルな対応を強みに、質の高い分析を実現する

現在はどのようなお仕事をしていますか?

部署としては、メディアDXセンターのデータ戦略部に所属しています。Atma®(アトマ)というテレビCMの効果を最大化するソリューションがあるのですが、これは複数のテレビメーカーから提供される匿名化された視聴ログデータと連携しています。

私のチームはこのAtma®データを中心に扱っており、グループの営業やメディアプラナーの人たちから依頼を受けて、クライアントへの提案の材料を作っていくのがメインの業務です。

案件にもよりますが、匿名化されたテレビの視聴ログをサイト来訪やECサイトでの購買などのオンライン上の行動データや、アンケート調査の結果、店舗への来店データと掛け合わせて分析をしています。

とくに印象に残っている案件はありますか?

博報堂テクノロジーズに入社して初めて担当した案件です。テレビ番組は大きな改編の時期が半年に1回だったりするので、分析結果がその後どう活かされたのかがこちらからはわかりづらい部分があります。最初に担当した大手ディベロッパー様の案件では、分析結果を出した数カ月後に、クライアントからご満足いただけた旨のコメントをいただき、さらに分析の継続のご依頼もいただいたことが嬉しく、印象に残っています。

逆に失敗した経験として記憶に残っていることもあります。ある案件で外部から購入したデータを使って分析をした際に、結果になんとなく違和感を覚えたにもかかわらず、原因を突き止められないまま資料をまとめてしまったことがありました。

他の人からの指摘を受けてあらためて確認したところ、元のデータに不備があったことが判明しました。違和感があった時点で、本当にそうなのか、と自分自身に問い直すことが大切だと学びました。

仕事をする上で、佐々木さんが意識していることはありますか?

私が所属しているチームは、決まった型のアウトプットではなく、都度要件を整理してフレキシブルに集計・分析するのが強みなので、日々営業やメディアプラナーの人たちとコミュニケーションを取りながら分析内容を決めていくことを、チーム全体で大切にしています。

また、クライアントのご予算をいただいて対応をしている場合も多いので、クオリティを担保しつつ工数削減の工夫をするように自分の中で意識しています。たとえば、ご予算が限られている場合には、こちらですべてやるのではなく、依頼者である営業やメディアプラナーの人たち自身で必要な集計ができるように、その方法や提供すべきアウトプットを考えて提案するなどしています。

▲納品データサンプル

勉強し続けるカルチャーとそれを支える制度

メディアDXセンターにはどのようなメンバーが多いですか?

スキル面では、いろいろな分野のプロフェッショナルがいる場所だと思います。Kaggleなどのデータ分析コンペティションに積極的に参加してデータ分析の精度を上げ続けている人もいますし、ソフトウェアエンジニアもいます。一方で、私が所属しているチームはメディアDXセンターの中ではビジネス寄りなので、どちらかというと何かに特化している人よりもバランスの取れた人が多い印象です。

人柄としては、穏やかな人が多いです。広告の会社なので体育会系のごりごりした雰囲気があるのかな、と入社前は半分想像していたのですが、当社の社員は落ち着いた人が多いですね。ただ、博報堂DYメディアパートナーズから出向してきている人もいるので、そういった意味では広告業界のカルチャーも混じり合った組織だと思います。

会社全体のカルチャーについて感じていることはありますか?

テクノロジー人材が集っているので、テクノロジーの勉強をし続けている人がとても多いと感じます。社内で定期的に勉強会を実施している部署もありますし、世の中で話題になっている情報などをSlack上で共有し合う文化もあります。

▲Slackでの情報共有

佐々木さんが良いなと思う社内制度はありますか?

勉強している人が多いという話に関連するのですが、PLP(パーソナライズド・ラーニング・プログラム)という制度があります。これは、自分のキャリア形成や勉強のために必要な費用を、会社が負担してくれる制度です。私はまだ活用できていないのですが、同じ部署にもPLPを使って学会に参加して勉強している人がいて、良いなと思っています。

それと、有給休暇とは別に、年に2回、5日間連続で休暇が取れるフリーバカンス休暇もあるので、休みは多いです。私は通っていた大学が遠方にあるので、それまでは同期が集まる会になかなか参加できなかったのですが、博報堂テクノロジーズに入社してからは休みを使って参加できるようになりました。

仕事の魅力は業界の幅と提案の幅

前職時代と比較して変化を感じることはありますか?

これは転職の理由としても挙げましたが、やはり幅広い業界と関われるというのが一番の違いです。このクライアントはこんなところが気になるんだ、ここに目をつけるんだということや、自分がいち生活者として目にしているテレビCMなどのマーケティング施策が実際にどんな成果を生んでいるのかを知ることができておもしろいです。

また、扱うデータの量や種類も増えました。テレビの視聴ログをここまでの規模で持っている会社は他にあまりないと思いますし、武器になると判断したデータにはきちんと投資をする意思と体力があるというのも当社ならではでないでしょうか。

裁量の面でも、前職ではある程度決まったソリューションの改修や運用をメインで担当していたので、どうしても新しいものを作る機会は限定的でしたが、今のチームは環境の変化や多様なクライアントへの期待に応えるべく新しいものを作っていこうという精神があるので、積極的に提案することが歓迎されます。

それから、基本的に在宅勤務なので、柔軟な働き方ができるようになりました。とはいえ、チームの皆さんとオフラインで顔を合わせる機会がもっと増えると、さらに良いのではないかと感じています。日々の業務はほぼチャットとオンラインのミーティングでスムーズに行えているので、オフラインでのコミュニケーションが加わることで、さらに充実したものになると期待しています。自身でも積極的に増やしていきたいと考えています。

業務効率化と改善の仕組みづくりで、一歩先の提案をめざす

今後博報堂テクノロジーズでどんなチャレンジをしていきたいですか?

まずは業務効率化を進めていきたいです。さまざまなご要望に対してフレキシブルに対応できるのが私たちの部の強みではあるのですが、型化できる余地もまだまだあると感じています。効率化によって対応できる案件数を増やしたいという面もあるのですが、どちらかというと、今まで時間がかかってしまっていた部分の労力を減らす仕組みを構築することで、一歩進んだ提案のための、多段階の分析ができるようにしたいと考えています。最終的にはとにかく佐々木に任せておけば大丈夫だ、と思ってもらえる存在になりたいです。

今後はフィードバックの仕組みをもう少し整備していきたいとも思っています。納品した分析結果がどうクライアントに受け止められたのかを現状あまり追えておらず、やりっぱなしになってしまっている部分があるので、きちんとフィードバックをもらって改善できるようにしていかなければと考えています。

また、テクノロジー人材として採用してもらって今の仕事をしていますが、マーケティングについてはまだ素人なので、マーケティングのプロである営業の人たちとできるだけ同じ目線で会話ができるようになることも大切だと考えています。当社ではマーケティングについての研修も用意されているので、そういったものも活用しながら勉強していきたいです。

チームの未来を一緒に作る仲間

どのような方がデータ戦略部のデータエンジニアに向いていると思いますか?

一言で言うと、バランスの取れた方だと思います。技術面に強みのあるビジネスパーソンというイメージです。たとえば、PMの経験があってさまざまな視点を持って動くことのできる方や、クライアントと直接関わる経験をされてきた方はフィットするのではないでしょうか。今の仕事では直接クライアントとお話しする機会はあまりなく、営業やメディアプラナーの人たちとのコミュニケーションがほとんどなのですが、その先にいるクライアントのことを想像しながら業務にあたることができる方が向いていると思います

また、マーケティング効果を測る手段として、どのデータをどう使うかを考えて実践できる点がおもしろい仕事なので、そういったことに興味のある方は楽しめると思います。今はまだまだ着手できていないことがあると思うので、もっと深い部分に一緒に取り組んでいける仲間に加わっていただけると嬉しいです。

※ 記載内容は2024年8月時点のものです

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