AIエンジニアとしてさらに輝ける場所を求め、博報堂テクノロジーズへ
以前は大手電機メーカーのグループ企業に勤務し、現在と同じく機械学習の研究に携わっていた王。博報堂テクノロジーズへの転職を決意したのは、真っさらな環境で挑戦したかったからでした。
「それまでやったことのない新しいことに取り組みたいと思っていました。当社は、2022年4月に設立されたばかりの会社。組織と共に成長していけると考えたことが入社の決め手になりました」
2023年10月現在、王が所属するのはプロダクト開発センター AI研究開発部のクリエイティブAIチーム。AIエンジニアとして、広告制作工数削減のためのモデル開発を担当しています。
「運用型広告のクリエイティブ制作に特化したAIワークフローシステム『Creative Table PINGPONG(以下、PINGPONG)』に組み込むことを想定したAIモデルの開発を行っています。
PINGPONGとは、広告制作のワークフローをハイパーオートメーション化することで、管理・制作工数の削減とデザイナーのクリエイティブ力の向上をめざして開発されたシステムです。中でも私は、画像や素材を自動的にレコメンドする機能などを実装するためのモデルの開発に取り組んでいます」
王が仕事を選ぶ上で軸としてきたのは、「自分の能力を存分に発揮できるかどうか」「会社や社会に貢献できるかどうか」の2点。まさにその両方にかなうPINGPONGを初めて目にしたときの感動をこう振り返ります。
「PINGPONGには、制作工程管理機能やAI制作アシスト機能が搭載されています。クリエイターたちがコア業務に集中するのを助けるシステムに携われるのはエンジニアとしてとても名誉なことだと感じました。
前職ではより初期段階の基礎的な研究に従事していたので、需要の高い製品の改善に関われることがとてもうれしかったのを覚えています」
大手とベンチャーの魅力を兼ね備えた環境で成長。活躍の幅を広げていく
博報堂テクノロジーズは、博報堂DYグループのテクノロジー人材が集結した新会社。大手企業を土台とした安定した基盤がありつつ、新会社としての挑戦的な雰囲気があるところに魅力があると王は話します。
「博報堂DYグループの強みは、潤沢な資金があること。NVIDIA社製の最先端GPUを複数台保有するなど、モデル開発に欠かせない豊富な計算資源があります。
億円単位の機器さえも購入できる環境があるのは大企業だからこそ。広告業界が保有する膨大なデータと豊富な計算資源を掛け合わせ、他社にはなかなか真似することができない新しい事業に取り組む可能性が開かれていると感じます。
福利厚生が充実しているのも大企業ならでは。とくに、有給休暇の日数が多いおかげでワークライフバランスが実現できています」
さらに、同センターには、一般的な大企業にはない気質が根づいていると言います。
「negociaは、博報堂DYグループの株式会社アイレップによるM&Aによってグループの一員となったAIベンチャーです。プロダクト開発センターには、negocia出身のメンバーが多く在籍しており、ベンチャーらしいカルチャーが浸透しているのが当センターの特徴です。上司ともフラットにコミュニケーションできる風通しの良い雰囲気があり、とても働きやすいと感じています。
また、仕事の回転が速いのも当センターの良いところ。2週間に1度のペースで業務を振り返りながら上司が部下の意見を拾い上げる機会が設けられていて、開発プロセスの改善がすばやく行われています。これほどのスピード感で仕事が進む環境は大企業にはなかなかないはずです。
そして、もうひとつ注目すべき点が、上層部との距離感が近いこと。当センターを統括する執行役員にチャットツールで何か質問を投げかけると、1分もしないうちに答えが返ってくるのには驚きました。週に1度の報告会にも顔を出すなど、トップが遠い存在でないことが、独自の文化を生み出す源泉になっていると感じます」
そんな環境の中で即戦力として活躍する王。とりわけ、NLP(自然言語処理)の領域で存在感を発揮してきました。
「コンピュータービジョンとNLPの両方の技術領域にまたがるプロジェクトを担当させてもらっているおかげで、前者の専門知識を伸ばしながら、入社するまで実務経験のなかった後者の領域でもかなりのスピードで知識が蓄えられている実感があります。
独学ベースでキャッチアップし、2023年8月に開催された『NLP若手の会 第18回シンポジウム』に登壇しました。そこで、日本語特化の視覚と言語を組み合わせた事前学習(VLP)モデルの開発について発表したんです」
多様性が導き出すイノベーション。共創の精神が成長を加速させる
また、多様性も同社の魅力だと話す王。クリエイティブAIチームにもさまざまなタイプのメンバーが在籍していると言います。
「7人のメンバーのうち、ふたりが外国人です。国内資本の企業にとって、これはとても珍しいこと。今後も外国人がさらに参加する予定があります。
また、エンジニアのタイプもさまざまです。知識の探求や新しい挑戦を得意とする研究型もいれば、トラブルをすばやく処理できる問題解決型も。企業では後者が重宝されがちですが、両方のタイプが共存し連携することでプロジェクトがうまくいくケースが多いと感じています。
ちなみに、私は前者のタイプですね」
そんな「粒ぞろいより、粒違い」と言うにふさわしい個性豊かなチームをまとめてきたのが、共創の精神。メンバー一人ひとりの多様な発想のぶつかり合いの中からイノベーションが生まれるとの考えがチームの求心力になってきました。
「チーム内にはさまざまな課題がありますが、常に対話を通して解決してきました。たとえば、プロジェクトの進捗が遅れているとしたら、原因を究明した上で議論しメンバーが意見を出し合いながら最適解を導き出します。
また、上司との1on1ミーティングを定期的に実施するなど、チーム改善のためのアイデアを提案する機会が少なくありません。コミュニケーションがとても活発なことも当チームの特徴だと思います」
入社してまだ1年足らずながら確かな成長の手ごたえがあるのも、そんな環境があるからこそ。王はさらにこう続けます。
「まったく実務経験のなかったNLPの領域にまたがるプロジェクトのメンバーとして貢献できているのは、NLPに詳しいNLPチームと密にコミュニケーションできているからです。先輩社員の知識やノウハウを思う存分に吸収させてもらっています。
実際、プロジェクトでは予想以上の成果を出すことができました。自分の能力に合った役割が与えられていると思いますし、刺激的な環境の中で成長を実感できています」
AIの力でマーケティング×テクノロジーの可能性を最大化し、社会が喜ぶ瞬間をもっと
革新的でクリエイティブなワークフローを開拓し、広告クリエイティブの価値を最大限に引き出すことをめざすクリエイティブAIチーム。いま求めるのは、熱意のある人材です。
「組織やチームと共に成長する意欲がある方を歓迎します。当社も当チームも、いまは発展途上の段階。制度やシステムの整備に積極的に関与し、自ら組織をつくっていく気概のある方の参加をお待ちしています」
一方、マーケティング業界特有の難しさもあると話す王。現場との密なコミュニケーションに活路を見出します。
「AI技術によってマーケティングの可能性を広げ、人々とサービスのつながりを促進することで、『社会が喜ぶ瞬間』を増やすことが私たちの目標です。
しかし、AIによる自動化は難しいのが現状です。クリエイティブにもキャッチコピーにも規制があるため、一般的な生成AIではなかなか太刀打ちできません。
人が見て『うれしい』と思うような広告づくりに貢献するためには、広告をつくる現場との連携を深めることが不可欠です。私たちがディレクターやデザイナーと定期的に深いコミュニケーションが取れているのは、多くのユーザーを持つPINGPONGの開発を手がける当社だからこそ。モデル開発を通じて広告制作工数を削減し、『うれしい広告』の実現に貢献できたらいいですね」
入社以来、AIエンジニアとして活躍してきた王の現在の目標は、チームの中核的な存在になること。大手とベンチャーの魅力を併せ持つ環境を活かしながら、王はこれからもマーケティング×テクノロジーの可能性の最大化に挑み続けます。
※取材内容は2023年10月時点のものです。
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