急速なテクノロジーの進展により、産業構造、ビジネス構造、ヒトの役割の再定義が進行している中で、テクノロジー×クリエィティビティの力で新たな「生活者価値創造」を追求し、社会課題解決に取り組んでいるマーケティングDXセンター。
今回は、プロデュース2部でマイカー乗り合い交通サービス「ノッカル・シリーズ(以下、「ノッカル」)」のサービスづくりに取り組む、麻生部長、土田さん、髙橋さんにチームの特徴や仕事の魅力を伺いました。
(「ノッカル・シリーズ」について)
上流からサービスを作り上げ、価値提供する仕事を求めて博報堂テクノロジーズへ
まずはみなさんのご経歴を教えてください。
麻生:私はSIerでキャリアをスタートさせましたが、その後システムエンジニアとしてインターネット専業エージェンシーに転職しました。そこで仕事をするうちに、インターネットだけでなくテレビや新聞などのメディアにも幅を広げたいと考えるようになり、博報堂に入社しました。
博報堂入社当初は、広告予算の最適な配分をシミュレーションする、マーケティングプランニングのシステム開発などをしていましたね。前職の経験からWebの知見があったので、徐々にウェブ関連の案件が増えていき、縁があって今のチームを率いることになりました。
土田:私は新卒でIT系の中小企業に入社し、SESとして他の会社に常駐してコールセンター向け従業員管理システムの開発をしたり、受託でクレジットカードの契約管理システムの開発に携わったりしていました。
ある受託案件で、顧客の反応をダイレクトに聞くことができたり、チーム内で行った改善提案が採用されたりしたことをきっかけに、プロダクトをリリースした後も継続的に関わり改善していきたいと思うようになり、そういった経験を増やすために転職をしました。
博報堂テクノロジーズを選んだ理由は主に2つです。1つめは、自社サービスを開発しているので、より上流のサービス設計の部分から関われると考えたこと。2つめは、「ノッカル」は開発を内製化していて、開発力も身につけられそうだったことです。採用サイトで女性がたくさん紹介されていたことも好印象でした。
髙橋:私はずっと品質管理領域にいます。前職は自社プロダクトを持つ企業で、QAエンジニアとしてリリース前の検証業務に従事していました。働くうちにQAエンジニアにプラスしてほかのスキルも身につけたいと思うようになり、転職を決めました。
プラスアルファのスキルとして、私は開発よりもビジネス領域に興味があり、携わる領域を広げていきたいという思いがあったので、QAエンジニアという職種は変えずにマーケティングや広告の知見も深められる博報堂テクノロジーズは自分にぴったりだと考えて、2023年10月に入社しました。
社会課題を解決するサービスづくり
マーケティングDXセンターにおけるプロデュース2部の役割を教えてください。
麻生:社会課題に対して、完全内製でサービスを作って社会実装していくというのが、われわれの部署の役割です。コロナ禍を経て世の中のデジタル化が一気に進み、企業が一方的に情報発信をするのではなく、生活者からのフィードバックを含めて、相互に発信しコミュニケーションを取る機会が飛躍的に増えました。
博報堂DYグループはそこにビジネスチャンスを見出しており、われわれはテクノロジーの面からそれを支えることで、組織の垣根を越えてOne Teamで新たなビジネスを創出することに貢献しようとしています。
具体的にはどのようなプロダクトを開発していますか。
麻生:プロデュース2部ではいくつかのSaaSを開発しており、メンバーはそれぞれ複数のプロジェクトに関わっていますが、土田と髙橋が共に携わっているのが「ノッカル」というサービスです。
土田:「ノッカル」は、バスやタクシー、電車などの移動手段が不足している交通空白地域が抱える移動課題を解決するための、マイカー乗り合い交通サービスからスタートしました。
各地域と街の中心部にある病院やスーパーマーケットなどをマイカーで行き来する住民の方にドライバーになっていただき、近所に住む利用者を乗せて、目的地まで一緒に行っていただくという仕組みです。移動したいと考える利用者が一緒に「ノッカって」いけるサービスなので、「ノッカル」と名付けられました。
「ノッカル」の開発体制を教えてください。
土田:今年に入ってからプロダクトのリプレイスを進めており、現在開発エンジニアが5名います。私もそのうちのひとりですが、PMを兼務しており、そのほかにPMOが1名います。
髙橋:QAエンジニアは私のほかに、業務委託の方が5名という体制です。
ステークホルダーはどのような方々ですか。
麻生:一番密に関わっているのは、博報堂のサービス企画のメンバーです。「ノッカル」の立ち上げ時から各自治体や政府関係者、地元の方々との対話を重ね、実際に展開するサービスの企画や、プロジェクトの推進、導入のサポートを担ってくれています。彼ら、彼女らはプロデュース2部も兼務しているので、実際にはチームメンバーと言えます。
そのほかには博報堂の営業担当や地域の交通事業者の方々もステークホルダーですし、導入済みの自治体や、導入検討中の自治体の方々、ひいては国土交通省などの政府機関とも関わりがあります。
土田:導入済みの自治体は現在13市町村にまで拡大しており、ステークホルダーはどんどん増えています。実際に利用してくださっている自治体や交通事業者の方の生の声を聞き、地域の課題を肌で感じる機会にも恵まれています。
▲導入先の富山に訪問した時の写真です
利用者の生の声を聞き、より良いプロダクトへと進化させるチャレンジ
これまでの成果と現在取り組んでいることを教えてください。
土田:成果はやはり交通難民だった方々の移動手段をつくることに少しでも貢献できたということ、そしてそれがいくつもの自治体や事業者に拡がってきていることだと思っています。
麻生:先ほど土田からも話があった通り、現在はプロダクトのリプレイスに取り組んでいます。「ノッカル」の開発を始めて4年ほど経ち、プロジェクト開始当初に必要だろうと想像して実装したものの、実際には不要だった機能が明らかになってきました。
また、逆に途中で必要になり追加した機能ももちろんあります。そこで、あらためて博報堂DYグループが提供するモビリティサービスとしてあるべき機能を整理し直し、ゼロから作り直しているというのが現在の状況です。
今後は、マイカー乗り合いだけでなく、地域コミュニティバスやタクシーなどを含む地域の統合交通サービス「ノッカル・シリーズ」として自治体に導入いただき、ひとつのプロダクトとして生活者に提供できるような基盤づくりをしていきたいと考えています。
ここまでプロジェクトを進める中で、チャレンジングだったことや印象的だったことはありますか。
土田:前職ではSESとして指示された内容をこなしていくということが多かったため、入社間もないころは、自分ごととして考えて動くことに慣れていませんでした。そんな中で、サービ企画のメンバーとディスカッションをしたり、QAエンジニアが作るテスト設計のレビューをしたり、自分で開発をしたりしながら、プロジェクト全体を把握し、自ら考えて推進していくこと自体が、私にとってはとてもチャレンジングな経験で、現在も試行錯誤しながら進めています。
髙橋:私は「ノッカル」に携わり始めてまだ日が浅いので、これからチャレンジングなことがいろいろと待っているだろうなと覚悟しています。さまざまなメディアの報道などを通して、実際に利用してくださっている方々の声を見聞きすると、身が引き締まる思いがすると同時に喜びも感じています。
麻生:90代の女性から「ノッカルマイカー交通」のおかげで5年ぶりに自宅を出て自分で買い物に行くことができたという感想をいただいたときは嬉しかったですね。
それぞれのやり方で、どこでも活躍できる人材に
みなさんが個人として今後挑戦していきたいことはありますか。
土田:今はプロジェクトの全体を見たり、開発をしたり、設計書を作ったりなど、今あるスキルのパーツを組み合わせて業務に対応していますが、それだけでなく、サービス開発の分野でもっと幅広く活躍して自走できる人材になりたいです。まだ背中すら見えていませんが、麻生さんがロールモデルです。
髙橋:私は今後も変わらず主軸はQAエンジニアだと考えていますが、博報堂テクノロジーズに転職した理由としてもお話ししたように、周辺領域の知見も深めていきたいです。
とくに、サービスの中に出てくるちょっとした項目名や説明文を、いかにユーザーにとってストレスがないわかりやすいものにしていくかというUXライティングの分野に興味を持っています。UXライティングに強い、品質保証のプロフェッショナルになりたいというのが今考えていることです。
麻生:私は個人的な成長というよりは、「XT.H(クロステックエイチ)®」という、「ノッカル」を含めたわれわれの開発するSaaSプラットフォーム全体が、博報堂DYグループのビジネスにおいてなくてはならないものになるように、各サービスを成長させていきたいと考えています。
あとはチームのメンバーが、プロダクトやサービスを作り上げる力を磨いてどこでも活躍できる人材になれるよう、サポートしていきたいです。
責任を伴うサービスを作っているからこそ、チームは仲良く
プロデュース2部はどんなチームですか。
麻生:開発組織としてはとても珍しいのですが、20代や30代の女性がチームメンバーの8割以上を占めているというのがまず挙げられる特徴だと思います。みんな仲がとても良いですね。週一度の出社以外はリモートワークなので、定期的に食事会をしたり、七夕やハロウィンなどのイベントごとにみんなで取り組んだりして交流を深めています。
髙橋:少し前にバーベキューもしましたよね。休日にもかかわらず常駐の方も含めてほぼ全員が参加していて、楽しかったです。
土田:またやりたいですね。キャラクター的には温厚でコミュニケーションを取ることが好きな方が多い印象です。
髙橋:私は30代なのですが、20代の方が多い中で、年齢の壁を感じずに働くことができています。業務内の話だけでなく業務外の趣味の話などもフランクにできて、それが業務上のコミュニケーションにも還ってくるという良い循環ができていると思っています。
麻生さんが、意見を言いやすい環境を作ってくださっていることにも感謝しています。もちろん仕事なのでやりたいことばかりできるわけではないですが、それぞれのキャリアを見据えて、まずは私たちの意思を聞いてくれることが嬉しいです。
麻生:私だけでなくセンター長もメンバーとの距離が近く、意見が言えない状況を作らないようにしようということは意識していますね。メンバーが日々の業務でやっていることもよくわかっているので、本人が挑戦してみたいと思うことをきちんと吸い上げて、モチベーションが上がるような仕事の振り方ができればと考えています。
また、私たちは生活者、とくに高齢の方々の生活の一部である移動の課題に取り組んでいるので、提供するものが利用者にとって使いやすくあるべきだという考え方をとても大切にしています。そういった意味で、われわれはシステムではなくサービスを作っているんだということは常々話しています。生活を支えるサービスである以上、積極的に最先端技術を導入するよりも安定性を重視した技術選定を行っています。
最後に、どのような方にプロデュース2部に加わっていただきたいですか。
麻生:まずは人が好きでコミュニケーションを取ることが好きな方が向いていると思います。意見がきちんと言える人ですね。
あとは、趣味などがあって好きなことに全力投球できる方が私たちのチームには合っていると思います。今いるメンバーも、ゲームや散歩、推し活、スポーツ観戦など仕事以外に打ち込めることをそれぞれ持っています。
土田:作って終わりではなく、作ったあとのことも考えて、より良くアップデートしていこうという思考の方と一緒に働けたら嬉しいです。
髙橋:新しいチャレンジをする機会を自分で掴みにいける環境が整っている組織だと思います。ですから、新しいことに挑戦していきたいという方にはぴったりではないでしょうか。
今はQAエンジニアが2名しかいないので、ぜひQAエンジニアにも仲間に加わっていただきたいです。
麻生:社会課題の解決につながるようなサービスを作り上げていくことに興味がある方をお待ちしています!
※ 記載内容は2024年10月時点のものです
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