現場のニーズを把握しながら、グループ全体として理想的なシステムの在り方を追求

博報堂DYグループ各社の基幹システムを企画・構築・維持管理する、グループ情報システムセンター。遠藤はそのシステム1部に所属しています。

「人事や会計、媒体、制作などのさまざまな社内業務で必要なアプリケーションや、それらを支えるITインフラ、ネットワーク、端末などにおいて、企画・構築・維持管理を行うのがグループ情報システムセンターの役割です。その中でもシステム1部は、博報堂DYグループの基幹システムを主とする、さまざまなアプリケーションのITインフラを担当。オンプレミスの基盤だけでなく、複数のクラウドサービス上の基盤、ミドルウェアを運用しています。

部門の雰囲気は風通しが良く、自分の意見を言いやすい環境です。役員層との距離も近いので、何かやりたいことがあればいつでも提案することができます。そして提案が良いと判断されれば予算の確保に向けて組織として動いてくれます。部署間の壁も低く、メンバー間の関係性も良いので、コミュニケーションが円滑で仕事が進めやすいです」

そんなグループ情報システムセンターでは現在、三つの重点テーマに取り組んでいます。

「一つめが次世代グループ共通基盤及び基幹システムの変革、二つめがIT環境を変革する『デジタルワークスペース構想』の推進、そして三つめがグループITガバナンスの推進です。

私が主に担当しているのがその一つめで、これまでにグループ内で共通利用できる統合認証基盤の導入や、グループ内に散らばるデータを連携し、“ひとつなぎ”にするデータ分析基盤の導入、また、業務アプリケーションの開発基盤・実行基盤導入を行いました。現在は、グループ共通マスタのひとつであるユーザーIDマスタを整備するための開発プロジェクトをリードしています」

グループ共通で利用される基幹システムの企画・構築・維持管理を担当するグループ情報システムセンターに所属しているからこそ、仕事をする上で遠藤がいつも大切にしていることがあります。

「現場のニーズを一つひとつ把握しながらも、グループ全体としてどう対応することが理想なのか。それを考えて判断することを大切にしています。というのも、グループ各社で抱えている課題は異なっており、システムの在り方に対する意見も異なります。それらを最終的にはグループ全体の利益になるように調整して、提供すべきサービスを判断していく。それが情シスが担うべき役割だと思っています」

システムの企画から開発、運用まで。一から挑戦できる環境を求めて選んだ新天地

遠藤のキャリアは、2007年に入社した外資系コンサルティングファームにて、ITコンサルタントとしてスタートしました。

「最終的には事業会社で活躍したいという想いがありつつも、まずはITの専門知識やビジネスに関する幅広い知見を身につけたいと考え、ITコンサルタントを選びました。さまざまな業界のクライアントを対象に、基幹システムの刷新や業務システムの構築プロジェクトなどに従事。プロジェクト管理や技術アーキテクチャー設計・構築を担当しました」

そして2020年、遠藤は13年務めた会社を退職し、新しいキャリアを歩むことを決意します。

「メインで携わるのが、システム構築における要件定義からC/Oまでのフェーズだったため、システムを導入する背景や課題の把握が難しく、どうしても受け身になる部分がある。また、導入後の評価及びさらなる改善に携われないもどかしさがありました。入社時に抱いていたキャリア像に加え、世の中の動きとしてアジャイル開発が主流になる中、事業会社側の立場で企画から構築、運用までコミットできる環境のほうが成長できると思い、転職を決めました」

遠藤が探したのは、今まで磨いたスキル・経験を活かすことができ、基幹システムの企画から開発、運用まで携われる会社。その中でたどりついたのが博報堂でした。

「当時は博報堂DYグループ全体として、事業ドメインをよりデジタルにシフトしようとしていた転換期。それに合わせて、基幹システムの在り方そのものを見直す動きが出始めたころでした。長い歴史のある、規模の大きな会社において、基幹システムを大きく変革させる取組みを一から立ち上げて関われるチャンスはめったにない。この会社でチャレンジしたいと思いました。それに、面接を通じて、風通しの良さやチームを大事にする社風も感じられたので、博報堂を選びました」

入社後は遠藤が希望していたとおり、基幹システムの刷新プロジェクトに携わります。

「どんな目的を達成したいのか、それをどうやって実現するのか。計画や方針の策定など、今まで担当したことがなかった上流工程から参画することができました。自分がやりたいと思っていた仕事を担当させてもらうことができ、キャリアの幅が広がったと感じました」

「粒ぞろいより粒違い」を活かし、多様な観点からアウトプットを迅速に改善

遠藤が博報堂に入社したのはコロナ禍が始まったばかりの2020年。先が見えない中で、リモートワークの環境整備に向け、ツールの導入に携わったことがとくに印象に残っていると言います。

「コロナ禍になるまでは出社前提であらゆる業務が行われており、当時はかなり混とんとした状況でした。リモートワークを実現するには会社のネットワークに接続されているPCを使う必要があるため、自宅から会社のPCを遠隔操作できるリモートデスクトップの導入を検討。製品の選定から予算の決定、運用開始までを、約1カ月というスピードで実現しました。

会社としてやるべきことをやるために、とにかく早くサービスを立ち上げて、運用しながら改善していく。そうした仕事の進め方に、博報堂のカルチャーを感じました。目的の実現に向けてスピード感を持ってさまざまな意思決定を行うプロセスを経験できたことは、その後の業務を進める上でも役に立っています」

それから約2年後の2022年4月、博報堂DYグループのテクノロジー戦略会社として、開発体制を集結し、体制の強化・進化を図る目的で博報堂テクノロジーズが設立。そのタイミングで遠藤は、博報堂テクノロジーズへ出向することになります。

「博報堂で経験したスピード感のある意思決定が、より実現しやすい環境だと感じました。たとえばデータの分析基盤を導入した際には、他部門と協力しながら、基盤の統一だけでなく、それを使って現場にどのように価値を提供するかというユースケースの作成までを迅速に実行。

博報堂テクノロジーズにはさまざまなグループ会社からの出向者が所属しているため、社内のメンバーを通じてグループ会社との関係性が築きやすいということが、業務の迅速化につながっていると感じます」

さらに遠藤は、バックグラウンドが多様な人材がそろっていることも魅力だと語ります。

「グループ情報システムセンターには、新卒から情シス配属のメンバー、営業・経理から異動してきたメンバーなどに加え、コンサル・SIerで経験を積んだメンバー、他業種で情シスを経験してきたメンバーなど、さまざまな経歴を持つメンバーが集まっています。『粒ぞろいより粒違い』な組織であることを活かし、バックグラウンドの異なるメンバーそれぞれが異なる立場で意見を出し合いながらも、チームとしての一体感があることが魅力です。

課題の解決に向けて、多様な観点から検証と実行を繰り返すサイクルができているので、アウトプットの質がどんどん高まっていくのを実感します」

さまざまなグループ会社が展開する幅広い事業を、システムを通じて支えるやりがい

多様なメンバーと共にシステムの質を高め続ける遠藤。仕事のやりがいを次のように語ります。

「博報堂DYグループという大きな組織体の基幹システムを扱うことは、影響力が大きく責任も伴います。導入したシステムを通じて、現場の業務が効率化され、喜んでいただいている声を聞けると、博報堂DYグループが提供するさまざまなビジネスの土台を支えられているという実感を感じ、やりがいも大きいです。

博報堂テクノロジーズは、『世界一級のマーケティング×テクノロジー会社になる』というビジョンの実現に向けて、幅広いビジネスを展開しています。その中で私は、基幹システムやITインフラを軸としながら、グループ全体の効率や生産性を高めるために、組織横断での活動にも積極的に挑戦していきたいと考えています」

挑戦の先に見つめるのは、会社のさらなる成長。それを一緒に支えてくれる新たな“粒違い”のメンバーに、遠藤は期待を込めます。

「この領域なら誰にも負けないというスキルや経験を持っている方が参画してくれたらうれしいですね。自分の意見が求められる会社なので、指示待ちになるのではなく、やりたいことを自ら発信できる方の方が合っていると思います。

センター長が、博報堂DYグループの例えとして、富士山のように頂点から裾野に広がる組織体ではなく、個性のあるいろいろな山脈が集合してできている組織体だという話をしていたのですが、私はそれを実感することが多いです。さまざまな会社が自由度を持ちながら、多様な事業を展開している。そして、それを横断的に支える基幹システムの変革を担当できることは、とてもチャレンジングな仕事です。

仕事の責任が大きい分大変な面もありますが、周囲がきちんとサポートしてくれます。わからないことは積極的に聞き、何事も当事者意識をもって考え、課題を見つけだして改善策を提案する。そんな姿勢を持っている方が、活躍できる環境だと思います。

博報堂DYグループは長い歴史を持つ規模の大きな組織体ですが、博報堂テクノロジーズ自体は設立からまだ約1年の企業です。そしてわれわれは、ビジネス環境の変化が激しい業界に属しています。グループの歴史が長い分レガシーもありつつ、テクノロジーズとして新技術に取組む姿勢も求められる中で、発注業務のオンライン化やグループ連結収益の見える化、ペーパレス化の促進など、基幹システムにとっても取り組むべき課題はたくさんあります。

だからこそ他ではできないような経験ができる良さがある。影響力のある仕事に携わり、自分のキャリアを広げたいという方と、新しい価値の提供に挑戦していきたいです」

※ 記載内容は2023年9月時点のものです

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