広告枠の運用からデータ活用・事業成長支援へと顧客課題が高度化する中、テクノロジーで本質的ソリューションを提供すべく新設されたのが博報堂テクノロジーズ「Value Co-creationセンター プロデュース5部」です。博報堂DYグループのデジタルコアである「株式会社Hakuhodo DY ONE」の現場へエキスパートとして参画し、データ基盤構築やAI活用を推進しています。今回は同部部長兼Hakuhodo DY ONE上席執行役員の齋藤さん、Hakuhodo DY ONEでマネージャーとしてチームを率いる二村さん、プロデュース5部第一号メンバーの稲津さんの3名に、組織の役割や現場で挑む面白さについて語ってもらいました。
まずは、みなさんの自己紹介をお願いします。
齋藤 : Value Co-creationセンター プロデュース5部の部長を務める齋藤です。Hakuhodo DY ONEでマーケティングソリューション領域の担当役員もしています。プロダクトを創り出す博報堂テクノロジーズと、それをクライアントに届けるHakuhodo DY ONEの両側から、博報堂DYグループにおけるソリューションビジネス領域の成長を牽引し、グループ全体としての価値最大化を図る役割を担っています。
稲津 : 2026年4月に博報堂テクノロジーズに入社し、プロデュース5部の第一号メンバーとして参画した稲津です。現在はHakuhodo DY ONEのTX(テクノロジートランスフォーメーション)ソリューション本部の開発部門で、AI駆動開発やAIエージェント関連のプロジェクトなどの推進をしています。本部内のプロジェクトマネジメント領域の知見の蓄積や標準化にも取り組んでいます。
二村 : Hakuhodo DY ONEのTXソリューション本部で、データ基盤構築や業務改善DXなどを手がける開発組織のマネージャーを務めている二村です。現場で手を動かすエンジニアやPMのマネジメントを担当しており、プロデュース5部の高い専門性を持ったエキスパートの方々とワンチームとなって案件を推進しています。
クライアントのKPIに直結するソリューションを提供する
Hakuhodo DY ONEの博報堂DYグループにおける役割とTXソリューション本部の役割を教えてください。
齋藤 : Hakuhodo DY ONEは、博報堂DYグループの「デジタルコア」として位置づけられており、グループ内のデジタル人材が集まっている会社です。デジタル広告にとどまらず、データ基盤の構築からCRMソリューションの提供まで、デジタルマーケティング全般をワンストップで実行・提供する中核組織です。
近年、クライアントから寄せられる相談の質は大きく変化しています。単に広告を打って集客するだけでなく、自社で保有する顧客データをどのように活用して事業成長や新たなマネタイズにつなげるかという、より深い経営領域でのご相談が増えています。さらに直近では、生成AIなどの最新テクノロジーをコスト削減だけでなくトップライン(売上)の伸ばしにどう活用していくかといったテーマも非常に多くなっています。

こうした高度な課題に応えるため、CDP(Customer Data Platform)、MA(Marketing Automation)、BI(Business Intelligence)などの先端ソリューションを活用した伴走支援を行うTXソリューション本部が活躍しています。具体的には、SnowflakeやTreasure Data、Databricksといったデータ基盤から、Salesforce Marketing CloudやBraze、KARTEなどのCRMツール、TableauやLookerといったダッシュボード構築まで、国内外の主要なテクノロジーパートナーと連携してクライアントのデータ環境整備と施策実行を手がけています。
TXソリューション本部と博報堂テクノロジーズのプロデュース5部の協業の背景も伺えますか。
齋藤 : TXソリューション本部の扱う案件が急速に高難度化・爆発的に増加する中で、組織としての課題も浮き彫りになってきました。Hakuhodo DY ONEは非常に勢いのある若手メンバーが多く、平均年齢も30代前半と活気に満ちているのですが、複雑なステークホルダーが絡み合う大型プロジェクトを推進・指導できるベテランPMの育成が、案件の増加スピードに追いつかない場面が出てきたのです。
そこで、テクノロジーに特化した博報堂テクノロジーズ内に、高度なプロジェクトマネジメント経験と深い知見を持つスペシャリスト集団として「プロデュース5部」を立ち上げました。プロデュース5部のメンバーがHakuhodo DY ONEの現場へエキスパートとして参画し、ワンチームとなって高難度案件のプロジェクト推進を強力にバックアップすると同時に、若手の育成や組織としてのケイパビリティ底上げにも積極的に取り組んでいます。
複雑化する案件を加速させる、現場の共創
プロデュース5部との共創が始まって、現場では具体的にどのような役割分担が生まれ、どんな変化が起きていますか。
二村 : 最近のクライアントワークでは「AIを導入したい」というご要望が非常に増えています。しかし、目的と手段が交錯しているケースも多々あり、それをどのように整理し、クライアントの売上向上やKPI達成に直結させるかというスピーディで難度の高い立ち回りが求められています。
稲津さんが参画してくださったことで、これまで現場で手探りになりがちだったAI関連の技術検証や、高難度なプロジェクトの推進スピードが上がってきています。また、稲津さんは開発の実務経験だけでなく、コンサルティング視点も豊富にお持ちです。そのため単にシステムを作るだけでなく、若手メンバーの思考整理やフォローまで行ってくださっています。
さらに印象的なのは、こうした協業を通じて、フラットでお互いを尊重し合える空気感が現場に根づいてきたことです。若手メンバーからも「相談がしやすくなった」と評判ですし、経験豊富なメンバーが若手メンバーに「ここが分からないから教えてほしい」と素直に聞く場面もあり、チーム全体に非常に良い相互作用が生まれています。

稲津 : TXソリューション本部のメンバーは、本当に全員の学習スピードとキャッチアップ能力が高く、僕自身も日々の業務で大きな刺激を受けています。僕がこれまでの開発やプロジェクトマネジメントで培った知見を共有する一方で、現場のメンバーが事前に自主検証して蓄積していた最新ツールのナレッジを教えてもらうなど、非常に関係性の良いギブアンドテイクができています。
例えば先日も、案件で急遽Treasure DataのAI機能の活用が必要になった際、チームのメンバーがすでに検証して社内ドキュメントにまとめてくれていたおかげで、短期間でキャッチアップしてクライアントへの提案に活かすことができました。お互いの強みをリスペクトしながら高め合えるカルチャーだと実感しています。
SIer・コンサル・事業会社を経験したからこそわかる「ここで挑む面白み」
稲津さんは、これまでどのようなキャリアを歩まれてきたのでしょうか。
稲津 : 私は、小さなSI企業のプログラマーとしてキャリアをスタートしました。その後ITコンサルに転身し、システム設計やプロジェクトマネジメントの経験を積みました。そこから今度は大手事業会社に転職し、プロダクトディレクターとして様々な案件に携わった経験を活かして、博報堂テクノロジーズへ入社しました。
多彩なキャリアを経て、プロデュース5部を選ばれた理由を教えてください。
稲津 : 前職でも仕事に恵まれており、やりがいのあるプロジェクトをたくさん経験させていただきました。しかし、単一の事業会社の中にいると、どうしても関わる業界やカテゴリーが限定されてしまうという感覚がありました。年齢を重ねるにつれて、もっと幅広い業界や社会全体が抱えるDX課題、データ活用、AI導入の悩みに直接触れ、自分の手で解決していきたいという思いが強くなったのが転職のきっかけです。

博報堂テクノロジーズを選んだ決め手は、まず同社のミッションである「マーケティング✕テクノロジーで社会と生活者に新しい価値・体験を提供する」という言葉に深く共感したことです。そして選考の初期段階から齋藤さんとじっくり話す機会があり、そこで語られた現場のリアルな課題やテクノロジーに対する圧倒的な知見の深さに強い魅力を感じ、「この環境なら自分のやりたい挑戦ができる」と確信して入社を決めました。
実際に参画してみて、現場のどんな部分に面白みや価値を感じていますか。
稲津 : 特に面白いと感じる点はふたつあります。ひとつ目は、様々な業界の切実なビジネス課題や悩みに直接触れられることです。お客様が売上をどう伸ばすか、顧客とどうつながるかという本質的な悩みに向き合い、最新のデータ基盤やAIを活用した解決策を提示・実装していくプロセスは非常にやりがいがあります。
ふたつ目は、部門内に根付いているレベルの高い「ナレッジマネジメントカルチャー」です。ただネット上の情報を収集して満足するのではなく、実案件でお客さんに提供できる水準かどうかという基準で、最新ツールの検証やノウハウの蓄積を組織全体で徹底的に行っています。
また、私自身が価値を発揮できていると感じる部分として、「作る側(SIer)」「提案する側(コンサル)」「発注する側(事業会社)」という3つの立場をすべて経験してきたことも非常に役立っています。システムを作るエンジニアの苦労も、提案するコンサルの狙いも、お金を払って発注する事業会社の不安や期待も理解できるため、複雑なステークホルダーが絡み合うプロジェクトにおいて、それぞれの気持ちを汲み取りながらプロジェクトをスムーズに進められる点が自分の大きな強みになっていると感じます。
型にはまらない自由度と、「攻めのマーケティングIT」
一般的なIT開発や大手コンサルティングファームと比較して、このポジションならではの独自性ややりがいはどこにありますか。
二村 : システム開発の世界では、業務効率化やコスト削減を目的とした「守りの戦略」が多い傾向にあります。しかし、私たちが手がけるマーケティング領域のITは、クライアントの売上向上やファン増加といった「攻めの戦略」に直結しています。発注者と受注者という壁を超えて、クライアントの事業成功を自分ごと化して伴走できる点が一番の醍醐味です。
また、私たちは特定のシステムだけを売るツールベンダーではありません。博報堂DYグループが長年にわたって築き上げてきたクライアントとの強固な信頼関係をベースに、課題整理の段階から介在し、ベンダーニュートラルな立場で将来の構想を見据えた最適なソリューションを提案・構築・運用まで導くことができます。
例えば、大手不動産会社様の事例では、広告やオフライン集客から営業活動、商談、受注に至るデータまでを統合するCDPを構築し、施策から成果創出までを一気通貫で可視化・分析できる環境を実現しました。
また大手メディア企業様の事例では、広告枠の販売データとサブスクリプション会員データを融合させた特有の分析基盤を提供しています。広告とCRMの両方を熟知している私たちだからこそ提供できる価値だと自負しています。

稲津 : 広告・マーケティング領域というのは、最もエッジの効いたテクノロジーが実践投入される分野でもあります。同時に、クライアントのリアルなビジネス活動に直結しているところでのデータやAIの活用が前提となるので、現場感に即したプロジェクトが多いというのも魅力だと思います。
変化のスピードへの対応や最新技術へのキャッチアップは大変な面もありますが、刺激的で楽しくもありますね。
齋藤 : 博報堂DYグループが持つ競争優位性として、長年コストをかけて蓄積してきた「生活者データ基盤」の存在があります。ネット上に転がっている表面的なデータだけでなく、質の高い調査パネルデータとデジタルデータを融合させ、精度の高い生活者インサイトや推計を可能にするアプローチは、他のSIerやコンサルティングファームにはない、博報堂DYグループならではの強みです。
さらに、長年の協業を通じて深めてきた主要プラットフォーマーとの連携による先行的なAPI提供や技術検証力に加え、広告会社だからこそ培われた、生成AIを活用したクリエイティブ開発力も持ち合わせています。
そして何より、私たちの組織には「決められた型」が存在しません。どのような開発手法を選び、どのテクノロジーを採用するかはフリーハンドです。最適な手法を自分たちで考え、作ったシステムを作って終わりにせず、クライアントと一緒に使い倒して成果を出すというプロセスを楽しめる環境が整っています。

新しい仲間と、仕組み自体をアップデートしていきたい
博報堂テクノロジーズとHakuhodo DY ONEの連携は今後さらに加速していくと思いますが、将来的な展望と求める人物像について教えてください。
稲津 : 博報堂テクノロジーズのバリューの中に「新しい価値を生み出すことに果敢にチャレンジすること」という言葉があります。まさにプロデュース5部での仕事はこのバリューをそのまま体現できる場所です。自分自身のテクニカルスキルやPMの知見を存分に活かし、チームやグループ全体に大きなインパクトを与えたいという熱いマインドを持った仲間が増えたらとても嬉しいですね。
博報堂テクノロジーズの働きやすい人事制度やエンジニアフレンドリーな環境を土台に、Hakuhodo DY ONEの現場で最先端のマーケティング案件に挑む。両社の架け橋となって知見を相互にフィードバックし合える関係を、これから入社される方とも一緒に作っていきたいです。
二村 : プロジェクトマネジメントの確かな技術や実績をお持ちであることは前提ですが、マーケティングITは毎年変化が激しい領域だからこそ、新しいテクノロジーに対する好奇心を持ち続けられる方と一緒に働きたいですね。従来の開発プロセスや既存のデータ基盤に固執せず、組織の仕組みや進め方自体を自らアップデートしていく「攻めの姿勢」を持った方を大歓迎します。
齋藤 : プロデュース5部に参加するエキスパートの方々には、単に目の前の案件を回すだけでなく、Hakuhodo DY ONEという支援先を客観的に観察し、「もっとここを改善すれば組織が良くなる」とコンサルタントのような目線で仕組みづくりに関わっていただくことも期待しています。
与えられた手続きや指示に従うだけではなく、自分で最適な手段を考え、チームを巻き込んで推進できる自由度の高さを楽しめる方。これまでの経験を活かしながら若手の育成にも関わり、グループ全体の成長を一緒に楽しんでいただける方を心よりお待ちしています。
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