高い視点から目的と価値を見据えて。クライアントの課題をDXで解決し、新規事業を創造

マーケティングDXセンターは、博報堂DYグループ全体で活用するマーケティングシステムの提供、SaaSプラットフォーム「XT.H®(クロステックエイチ)」の構築、既存ビジネスとAIなどの先進的なテクノロジーを融合させたサービス開発などを担っています。森はそのプロデュース3部に所属し、新規事業コンサルタントやテックリードを務めています。

「プロデュース3部では、博報堂DYグループの新規事業や先端技術に関する支援を行っています。その中で私が担当しているのは、クライアントが抱えている課題に対してDXの推進を支援しながら、新規事業の開発まで伴奏する業務です。

新規事業という特性上、詳しくは話せないのですが、DXを推進するSaaS事業を立ち上げたいというクライアントの構想に対して、新規事業の企画から開発までを実現しました。現在も鋭意開発中です。

このように、構想段階から参画し、テクノロジーを用いて新規事業として形にするまで、プロダクトオーナーと共にワンチームで推進するのが私の役割です。新規事業やテクノロジー領域で何か困ったことがあったら、とりあえずプロデュース3部に相談が来るので、一言で言うと『便利屋』みたいな存在ですね」

課題をテクノロジーで解決する専門家集団として頼りにされているプロデュース3部。さまざまな案件に取り組む中で、森がとくに大切にしているのが「目的志向」と「価値志向」です。

「目的のその先にある大目的を達成し、提供したい価値を最大化できるよう、複数案を考えて取捨選択することを大切にしています。

先ほどのSaaS事業の話で言うと、目的はサービスの提供ではありません。サービスを提供することで、携わる人々がWin-Winの関係を構築できること、さらに、発信される価値のあるコンテンツを通して、生活者が豊かな生活を送れるようになることが目的です。そんなふうに高い視点を持ち、広い視野で考えることを大切にしています」

森がそうした価値観を抱くようになったのは、過去に過酷な労働を経験したからだと話します。

「新卒で入社した大手独立系SIerで、毎朝7時に出社して終電に間に合うギリギリまで働くという生活をしていた時期がありました。このままでは体が持たないという限界に達したときに、たどりついたのが、引き算の思考法です。

まず目的を念頭に置いて、費用対効果や提供したい価値から逆算し、一番大事なことだけを集中して実行する。そしてそれ以外のことはやらない勇気を持つこと。自分の業務が遅れればプロジェクト全体に影響が出てしまいます。そのため、目的と価値に沿うことだけを注力してやる。それが自分だけでなく、相対するすべての人のためになると考えるようになりました」

成果を評価されていたものの退職を決意。人を大事にする社風で選んだ新天地

森が大手独立系SIerでキャリアをスタートしたのは2005年のこと。SEやPMとして開発プロジェクトの全工程に携わりました。

「日本でも数少ないCMMIレベル5が認定されている会社で、ITスキルを徹底的に習得しました。CMMIレベル5というのは、開発プロセスを定量的に管理し、その改善が継続的に行われている状態。

プロジェクトの進捗や品質の数値化など、マネジメントの知見を高いレベルで身につけることができたので感謝しています」

そこでどんなプロジェクトにも自力で対応できるという自信を持った森は、ITコンサルファームに転職します。

「未経験だったコンサルティング業務に挑戦し、キャリアを広げたいと考えました。ただ、当時のコンサルティング業界の主流は、課題の分析と解決の提案だけで、実行には関与しないスタイル。でも実行こそが一番大変なんです。現場の人たちの気持ちや業務を変えていくのですから。そこで、泥臭く実行支援まで責任を持って完遂するITコンサルファームを選びました。

そこでは基幹システムの刷新などに携わり、数年後にまた別のITコンサルファームに転職。コンサルタントとしての採用だったのですが、入社2日前に突然、適性があるから新規事業を担当してみないかと打診されたんです。

私が常に考えているのは、与えられた仕事の中で、自分自身がやりたいことと、会社から必要とされることの最小公倍数を選択するということ。それに私はどんな仕事でも楽しいと思うことができるため、新規事業に挑戦してみることにしました。3年間にわたる経験だったのですが、結果的にそれが後のキャリアに生きているので、引き受けて良かったと思っています」

その会社で大きな成果を出した森でしたが、博報堂テクノロジーズへの転職を決意します。

「成果が評価されたことで、次第に経営や人事へも関与を求められるようになっていきました。そしてあるとき会社からの指示で経営のことを第一に考え、これまで共にがんばってきたメンバーたちを裏切るような人事政策を断行しなければならなくなったのです。仕事を通じて人に貢献し、人を幸せにしたいのに、真逆のことをしていると感じ、精神的につらかったです。

それがきっかけとなり、全てのミッションをやりきった後、転職することを決意。いろいろ検討した中で最終的に選んだのが、博報堂テクノロジーズでした。面接から感じたのは、人を大事にし『粒ぞろいより、粒違い』を強みとして多様性を尊重する社風。そして、裁量労働制やフリーバカンス制度など、子育てをしながら働きやすい環境であるということです。そこに魅力を感じ、自分が培ってきた経験を生かして貢献したいと考え、転職を決めました」

お互いを尊重し合う社風を実感。やりたいことに挑戦でき、やりがいしか感じない環境

2023年1月、博報堂テクノロジーズに入社した森。新しい環境で働く中で、大きなカルチャーギャップを感じたと話します。

「まず、社員同士がお互いを尊重する姿勢に驚きました。たとえば会議においても、さまざまな立場の人が参加していますが、ファシリテーターが必ずそれぞれの立場から意見を求めるんです。そこに『粒違い』を大切にしているカルチャーを感じました。そして意見が異なる場合でも、相手をいったん受け入れてから自分の意見を述べるスタイルが徹底しています。みんな熱い想いを持っていながら、相手へのリスペクトを持っている。だから対立が発生しないんですよね。

もう1つギャップを感じたのは、会議の数が多いこと。少しでも議題に関与していれば招集されるので、前職に比べると会議は増えました。正直に言うと、ときには会議に参加する意義を感じられないことも。そうした場合でも、情報を把握すること、そして有益な発言をして周りに気づきを与えることで、価値を発揮する努力をしています。

そして一番印象的だったのが、クリエイターに対するリスペクトの強さ。企画や開発はあくまでプロセスの一部で、最終的に広告という形にするのはクリエイターです。だからどれだけ企画が良くても、クリエイティブの力がなければ価値は提供できない。その考えをみんなが共有しているから、クリエイターの発言が尊重されるんです。私は副業で作詞作曲の仕事もしているのですが、クリエイターの立場から意見を求められることもありうれしくなります」

森は本業に役立つ知見を広げるべく副業制度を活用。作詞作曲のほか、時間をうまく管理しながら、新規事業や経営に関するコンサルティングにも取り組んでいます。

「現在私が担当している新規事業の案件に生かすため、マーケティング戦略の立案や潜在ニーズを顕在化する手法などを身につけています。今後も自分の領域を広げるため、副業制度を活用していく予定です。

こうして私が副業に取り組めるのも、求められる価値を提供していれば、やりたいことにどんどん挑戦できる社風があるからこそ。上司は私に裁量を与えてくれているので、達成したい目的と提供したい価値から逆算し、最短距離で仕事をすることができています。そして携わるプロジェクトはどれも、規模が大きく、新規性が高い。この2つがそろえば自然とやる気に火がつきますよね。だから今の仕事にやりがいしか感じないです」

専門分野を広げ、深める。さまざまなニーズに対応できる「ジョーカー」をめざして

森が入社してから約8カ月。自分が提供できる価値の最大化を追求し、大きなやりがいを感じる中で、今後の展望を次のように語ります。

「私がめざしているのは、T型のジェネラリストなんです。この人がいればなんとかなると思ってもらえる『ジョーカー』みたいな存在。私は幼少期のころから、人の喜ぶ顔を見るのが生きがいでした。相手がやってほしいことを察して行動すると、感謝の言葉や笑顔が返ってきて幸せな気持ちになる。それをもっと体験したいんですよね。

そのためにも自分が貢献できる領域の幅と深さを広げていきたい。私はITのスキルや知識に関しては、ある程度満足のいくレベルに達したと思っているので、今後はAIやXR関連のプロジェクトに積極的に挑戦し、知見を深めていきたいと考えています。そうしてさまざまなニーズに対応できる存在をめざして、目的の達成や価値の最大化に貢献していきたいです」

自分の強みを伸ばし、博報堂テクノロジーズの成長に貢献していきたいと語る森。会社のさらなる成長に向けて必要となるのが、共にシナジーを生み出す「粒違い」の人材です。

「博報堂テクノロジーズに向いているのは、自主的な人だと思います。自分がやりたいことと、会社がやってほしいこと、そして社会や生活者が求めていること。これらをすべて踏まえた上で、価値を提供しながら自分がやりたいことを追求する。そうやってやるべき仕事の中に、自らやりがいを生み出していける人が活躍できる会社です。

また、博報堂テクノロジーズは、博報堂DYグループのプロジェクトに横串で関わります。そのため、自分の専門分野を持ちながらそれに固執せず、新しい領域を積極的に学んでいく姿勢も大切だと感じています。

もしその分野においてスペシャリストでないとしても、自分が懸け橋となってスペシャリストをつなぐことができる。そんなH型人材も、『粒違い』の在り方の一つだと思います。

私がここでお話しした博報堂テクノロジーズの特性が合うかどうかは、やりたいことや描くキャリアと照らし合わせて、最後はご本人が決めることです。面接の中でも担当者と対話しながら、自分が幸せに働ける会社かどうかをよく考えた上で、選択してもらいたいと思います」

「粒違い」の仲間と共に、目的の達成と価値の最大化をめざす森。その先にある誰かの喜ぶ顔を見るために、これからも挑戦は続きます。

※ 記載内容は2023年9月時点のものです

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